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オーストラリア/ニュージーランドのワイン

“ニューワールド”と呼ばれるワイン新興国の中でも、質の高さとバラエティではカリフォルニアに次いで飛躍的に進化しているオーストラリアとニュージーランド。この10年でワインの生産量は約2倍という著しい成長を遂げ、2000年を境に輸出量が国内消費量を上回り、ワイン輸出国としても大いに発展を続けています。

AUSTRALIA

もともと農業大国のオーストラリアは、その国土の広さと自然の豊かさと、国民のおおらかなで自由な気質も手伝って、ワイン造りには適している国だと言っても良いでしょう。主に、南緯32~43度の乾燥した温暖な地域や冷涼な気候に恵まれた南部の沿岸地域にワインの産地が広がっています。ぶどうの栽培自体は、イギリス人により1788年頃に伝わったということですが、商業的にワインビジネスが発達したのはまだ50年足らずのこと。ワイン造りの歴史はまだ浅いですが、現在では国を代表する産業のひとつに急成長をしているというわけです。

主要品種は、赤ワインではシラーズ、カベルネ・ソーヴィニヨンが中心。白ワインでは、シャルドネ、セミヨンが多いですが、国土も広く、気候のリージョンも多様なので、幅広い品種が生産されています。

オーストラリアワインの主要産地

州別の生産地をみると、サウス・オーストラリア州がトップ。次いで、ニュー・サウスウェールズ州。この2つの州で全体の4分の3以上を生産していますが、最近ではウェスタン・オーストラリア州のパース近郊、またタスマニア州も良質なワインの産地として注目されています。

★サウス・オーストラリア州

中心都市はアデレード。

Barossa Valley(バロッサ・ヴァレー)

大手のワインメーカーが集中している国のワイン生産の拠点。フルボディの赤ワインから、リースリングまで幅広い種類のワインが造られています。主要品種は、赤がシラーズ、カベルネ・ソーヴィニヨン。白は、セミヨン、リースリング。

Adelaide Hills(アデレード・ヒルズ)

州都アデレード近郊の標高400~500mの地域で、大変冷涼な気候。質の良い白ワインやスパークリングワインを造っていて、近年は重要な生産地のひとつになっています。主要品種は、赤はピノ・ノワール。白は、シャルドネ、ソーヴィニヨン・ブラン。

Coonawara(クナワラ)

ボルドー地方に似た海洋性気候で、有機鉄が含まれた赤土の土壌(テラ・ロッサ)が特徴的な地域。この土地で造られるカベルネ・ソーヴィニヨンとシラーズの赤ワインは国際的にも評価が高いです。

★ニュー・サウス・ウェールズ州

中心都市はシドニーとキャンベラ。

Hunter Valley(ハンター・ヴァレー)

ハンター川を中心に、ローワー・ハンター・ヴァレー(Lower Hunter Valley)とアッパー・ハンター・ヴァレー(Upper Hunter Valley)があり、オーストラリアで初めてワイン造りがされた、いわば発祥の地です。海洋性気候で、バラエティ豊かな良質のワインが多数生産されています。主要品種は、赤はシラーズとカベルネ・ソーヴィニヨン。白は、セミヨン。

NEW ZEALAND

オーストラリアと同様に、生産量、品質ともに、近年目覚ましい発展を遂げている新興ワイン王国。特にその品質は、大変上品でニューワールド随一との声も多く聞かれます。中には、ブルゴーニュ産の上質なピノ・ノワールやソーヴィニヨン・ブランと間違うほどのハイクオリティなものもあり、年々注目が高まっている生産地のひとつです。

歴史的には19世紀初頭にぶどう栽培が始まったようで、栽培面積はフランスのシャンパーニュ地方と同じくらい。マールボロのソーヴィニヨン・ブランが国際大賞を獲得して以来、ニュージーランドワインは世界的に有名になりました。今では高級な銘柄も多く見られますが、そのほとんどがスクリューキャップであるということも特徴的です。

 

ニュージーランドワインの主要産地

北島と南島に分かれる国土は、1日の中に四季があるようなとても寒暖差の激しい特殊な気候。朝晩はとても冷え込み、日中は太陽が燦々という、この土地ならではの気候がぶどう造りには適していて、糖度と酸味のバランスが取れた素晴らしいワインを生み出します。

★北島

Gisbourne(ギズボーン)

ニュージーランドのシャルドネの首都と言われているほど、特にシャルドネが有名な地域。海洋性気候。

★南島

Marlborough(マールボロ)

ここで造られるソーヴィニヨン・ブランは国際的に有名で、高級なワイナリーが多く集まっている地域。マールボロの白ワインでニュージーランドのワイン産業が急成長したと言っても過言ではないでしょう。海洋性気候。

Central Otago(セントラル・オタゴ)

ニュージーランド最南端で、大変冷涼な地域。日中の寒暖差が特にはっきりしていて、国内では唯一の大陸性気候です。大変、良質なピノ・ノワールを生産していて、近年大注目のワイン産地。

Flying Winemaker

「フライイング・ワインメーカー」という言葉をご存知ですか?

オーストラリアやニュージーランドは南半球に位置しているので、ワイン先進国のフランスやイタリアとは季節のサイクルが全く逆になります。そんな立地の利点と、近年の空の交通の発達や利便性にも助けられ、年間を通じて、北半球でも南半球でもワイン造りをする人たちが増えています。主に、それはワイン先進国(北)からワイン新興国(南)に技術の伝承や栽培/醸造の実験を行ないにくるケースと、ワイン新興国(南)からワイン先進国(北)に学びに行くケースがみられます。著名な品評家や醸造家もこれを率先して実行していて、その代表格がフランスのMichel Rolland(ミッシェル・ロラン)。そしてイタリアのAlberto Antonini(アルベルト・アントニー二)。彼らは年間13~14カ国近い国の100以上のワイナリーで、ワイン造りに携わっていて、“フライイング・ワインメーカー”の言葉を広く知らせた人物。そのくらい現在の南半球はワイン造りに適した土壌だと言えます。